2008年のパリで開催されたモーターショーでワールドプレミアされたAbarth Assetto Corsa。ご覧いただければ一目でわかるサーキット走行専用のチューニングと独自のエアローパーツで武装された外観はスタンダードのチンクエチェントにはないど迫力万点です。まずフロントのバンパースポイラーは低く巨大な形状でフロントのダウンフォースを最大限に活用しながら大容量のインタークーラーを装備しています。低められたライトハイトは専用チューンの車高調整式ガスダンパーユニットでリヤはタンク別体タイプになっています。ホイールはOZレーシングのAssetto Corsa専用デザインで軽量かつ高剛性を実現し215/40-17のポテンザと組み合わせはAssetto Corsaのポテンシャルを物語っています。リヤには大型のウィングを装備し、リヤビューを引き締めてくれています。リヤから見える2本出しのエグゾーストマフラーはタコ足からエンドマフラーまで専用デザインで、サウンドはスポーツ触媒が装着されている割には相当元気なエンジンサウンドを奏でます。ところがアイドリング時はとても静かでエンジンが低回転域ではバルブが閉じているようでサイレントな走行も可能です。ひとたびアクセルを深く踏み込めば、小さなターボラグのあと強烈なパワーがローギアであればフロントタイヤを空転させるほどの加速を味わえます。インテリアはこれ以上はストリップできないレベルまで軽量化され、無骨なロールゲージがガッチリと溶接で設置されています。ステアリングは専用バックスキンでセンターのホーンボタン部には赤いサソリ。足元のフットレストにもサソリがいます。スパルコ製フルバケットシートの着座位置は低く設置されていますから、マシンの挙動をつかみやすくペダル類も扱いやすいポジションです。専用にチューニングされたエンジンと足回りですから、全開走行が楽しくないわけがありません。ストリートでも強力なストッピングパワーを発揮するブレンボ製4ポッドキャリパーがしっかりと車速を殺してくれます。FFですがタックインを利用しなくても素直な回頭性を持つハンドリングはそれなりに丁寧に扱う必要がありますが、弱アンダーで高速コーナーを駆け抜けるマナーは2ランクくらい上の車両と同等のスピードを維持します。現車はまだ830kmと慣らしが終わったばかりという最高のコンディションを維持しています。ライトチューンのAbarthに飽きてしまった方、何も考えなくても爽快なドライビングが楽しみたい方、ライトウェイトでクイックなハンドリングとアクセルレスポンスをストリートでもたっぷり味わえるAssetto Corsaは最高な大人のおもちゃです。LMP CARS CALL 03-5772-2788